食べる瞑想 ― 命をいただく静かな時間

食べるという瞑想 ― 命をいただく静かな時間

      〜 食べる瞑想のやり方 〜

一口ごとに、食べ物の香り・味・食感に意識を向け、ゆっくり噛んで飲み込むまで箸を置く。

「今ここ」に集中して味わうことがポイントです。

一口につき30〜50回を目安に、ゆっくり噛みましょう。ただし、回数を数えることが目的ではありません。

大切なのは、「今、口の中で何が起きているか」に意識を向けること。

食べ物の味や食感の変化、唾液と混ざる感覚を丁寧に感じながら、自然に飲み込めるまで味わいます。

噛むことで消化が助けられ、満足感も高まり、心も落ち着いていきます。

一口ごとに“今ここ”に集中することが、食べる瞑想の本質です。

SHANTI YOGA CLUB * RETREAT in 御岳山 2025レポート

〜 食べる瞑想の時間 〜

「日本の“いただきます”というのは、命をいただくということです。」

先生の言葉とともに、私たちの食事の時間が始まりました。

この時間は、食べることだけに集中する静かな時間です。

おしゃべりをすることはほとんどなく、誰もが自分の目の前にある食と、そっと向き合います。

“祈り”から始まったその時間は、まさしく「食べるという瞑想」。

心と五感を研ぎ澄ませ、命をいただく行為に集中する、静かな実践でした。

先生は言いました。

「五感を“ツール”として使って食べてください。

味だけでなく、香り、音、歯ざわり、温度も大切です。

それから、全体を“目でも楽しんで”ください。

器の佇まい、湯気、盛り付け……そういう“見える情報”もまた、立派な栄養なんですよ。」

そして、先生が何より大切に伝えてくださったのは、“命に対するリスペクト”でした。

それは、この食事が私たちの口に届くまでに、たくさんの人が関わっているということ。

土、水、生産者の方、それを運ぶ方、調理する方――多くの方への感謝の気持ちにまで広がっていきます。

目の前に並んだ食事は、調味料ひとつにまで心が配られ、誰もが安心して口にできるよう整えられていました。

ただ料理を出すのではなく、“どう届けるか”まで俯瞰して捉えることで、食べる側の心も自然と整えられていきます。

調理する人の想いと、それをいただく人の姿勢によって、食材の命が生かされ、

「食べる」という行為そのものが、神聖で豊かなものになるのだと気づかされました。

ヨーガの教えでは、食べるということは、ただお腹を満たすためだけではありません。

生きていた命を、自分の命としていただくという、神聖な行為。

野菜も穀物も、それぞれがひとつの命です。

だからこそ、「いただきます」という言葉には、深い感謝と祈りの気持ちが込められています。

「この命が、私の一部となり、生きる力となる。」

そう心で唱えるように食と向き合うことで、食べるという行為は、ヨーガの実践そのものになります。

実はインドのアーシュラムでも、まさにこのような「食べる瞑想」に近い時間がありました。

アーシュラムは、ヨーガの修行者たちが心身を整え、学びを深めるための場所。

そこでの食事の時間には、会話は禁止。黙って目の前の食事と静かに向き合います。

今回の体験は、その頃を思い出させてくれるような、内側に静けさが広がる時間でした。

先生がもう一つ語ってくださったのは、「食べ方の瞑想」でもありました。

「一口食べたら箸を置いてください。そして、30〜50回ゆっくりと噛んでください。

舌で転がしながら、食材が混ざり合い、形を変えていく感覚に意識を向けてください。

それが身体の中でどう変化していくか。噛むことは、消化の始まりであり、命を受け入れる行為なんです。」

そうして私の中で、「食べる」という行為そのものが瞑想になっていきました。

これまで私は、こんにゃくなんて“飲んで”いたようなものでした。

でも、一口ずつ丁寧に噛んでいくと、弾力や食感の違い、じんわり広がる味わいに驚かされました。

お味噌汁の薬味の三つ葉も、これまでは香りだけを楽しんでいたのに、

シャキシャキとした食感という新しい感覚に気づくことができたのです。

今朝の朝ごはん――納豆。

私は一粒一粒を、真剣に噛み、舌で転がしながら、ねばねばの糸の感触すら味わいながらいただきました。

はじめて食べるものや、高級な頂き物なら、ゆっくり味わって食べるかもしれません。

でも、いつも当たり前のように口にするものにこそ、感謝の気持ちが足りていなかったことに気づきました。

その気づきは、**サントーシャ(知足)**の実践でもありました。

「高いから良い、安いから悪い」といった価値観にとらわれていた自分の心の癖にも気づかされました。

日々、レッスンの合間や移動の途中で“追い込むように”済ませていた食事。

その慌ただしさとはまったく違う、目の前の食事と丁寧に向き合う時間が、そこにはありました。

しっかりと食事の時間を取るということは、心と時間にゆとりがなければできないこと。

この体験を通して、自分のタイムマネジメントを見直すきっかけにもなりました。

仕事でスケジュールを詰め込むのではなく、**「豊かな時間をつくること」**の大切さに気づきました。

たくさんの気づきを得ました。

思考・感性・感覚を取り戻す、とてもよい練習になりました。

そして今では、**「一口食べたら箸を置く」**という習慣が自然と身につきました。

お行儀もよくなるし、早食いも防げる。よく噛むことで、体にも心にも良い効果があります。

これからも、できる範囲で実践を続けていきたいと思います。

日曜日のひとときにでも、ぜひ。

食と向き合う、静かな時間をつくってみてください。

御岳ヨーガリトリートでの夕食  ベジタリアン 季節の野菜の香りと食感を楽しみました。

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